半年後。
会議中に気分が悪くなったペッパーは病院へ向かった。
するとペッパーは、ようやく待ち望んでいた言葉を聞くことができたのだ。
つまり、ペッパーは妊娠したのだ。
ペッパーとトニーのこと…つまりエクストリミスのことを知っている医師は、ペッパーのお腹にエコーを当てながら説明し始めた。
「妊娠して1ヶ月ですが、すでにこの子は2ヶ月以上の大きさまで成長してます」
やはりモーガン同様、胎児の成長は恐ろしく早いのだ。
「この子の場合は、元々エクストリミスを持っているので、モーガンちゃんとは成長の度合いが違うかとしれません。ですが、大丈夫ですよ。しっかり見守っていきましょうね、スタークさん」
そう言うと、医師はペッパーに向かって微笑んだ。
帰宅したペッパーは、出迎えてくれた夫と娘にキスをすると、エコー写真を差し出した。
写真を見たトニーは目を輝かせた。そしてガッツポーズをした彼は、ペッパーを抱きしめると顔にキスをしまくった。
大喜びをしている父親に、モーガンは何か楽しいことが起こったと気づいたが、自分もその輪に入ろうと、父親の足にしがみついた。
「モーガン!ママに赤ちゃんができたぞ!」
娘を抱き上げたトニーは、彼女の頬に何度かキスをしたのだが、モーガンは目をパチクリさせると、不思議そうに辺りを見渡した。
「あかちゃん…どこにいるの?」
「ママのお腹にいるのよ」
トニーはモーガンを床に下ろした。するとペッパーは、娘の手を取り、まだ膨らんでいないお腹に当てた。
モーガンはそっと母親の手を撫でると、目を閉じた。
彼女には聞こえた。弟の声が…。父親と母親、そして姉に早く会いたいという声が…。
目を開けたモーガンは、満面の笑みで両親を見上げた。
「あかちゃん、おとこのこよ。はやくね、パパとママとあたしにあいたいって」
トニーとペッパーは顔を見合わせた。
胎児の性別はまだ分かっていない。が、モーガンには分かるのだ。
モーガンは幼い頃から、人の感情を読み取ったり、感じやすかった。誰かに触れ、気持ちを読み取ることもできた。もしかしたら、それもエクストリミスによる遺伝子の変異のせいなのかもしれない。次に生まれてくる子供も、モーガンとはまた違う能力を持って生まれるかもしれない。だが、トニーもペッパーも確信していた。2人とも自分たちの大切な子供…そして素晴らしい子に決まっている…と。
「あかちゃん、はやくあいたいね」
そう言って笑ったモーガンは天使のように可愛らしく、トニーとペッパーは娘を抱きしめた。