Another World of 2012:NY…④

「スターク、もう大丈夫なのか?」
翌日、アベンジャーズの面々と3日ぶりに顔を合わせたトニーに、開口一番クリント・バートンが尋ねた。
「あぁ。ただの不整脈だ。心配するな」
クリントの肩をポンっと叩いたトニーは、椅子に腰掛けた。
「で、ロキはどこに行ったんだ?」
3日いなかったために、状況はさっぱり分からない。が、誰も行方は分からないらしく、ナターシャ・ロマノフは肩を竦めた。
と、何事か考えていたスティーブ・ロジャースが徐に口を開いた。
「バッキーは生きていると言われたんだ…」
「は?」
ロキの話をしているのに、どうして別人の話になるのかと、皆口をポカンと開けてスティーブを見つめた。皆が黙ってしまったのに気づいたスティーブは、机を叩くと立ち上がった。
「キャプテン・アメリカにだ!」
その言葉に、その場はしーんと静まり返ったが、トニーが笑い出したのを皮切りに、その場はドッと笑いに包まれた。
「キャプテン・アメリカはあんただろ?」
笑いながら言うトニーに、スティーブは顔をしかめた。
「いや、違う。あれはもう一人の私だった。最初はロキが化けているかと思ったが…それでは辻褄が合わない。未来から来た私だったんだ。おそらく、バッキーのことを伝えに来てくれたんだ」
力説するスティーブだが、未来からきたキャプテンと言われても、意味が分からないと、一同は顔を見合わせた。
「私はバッキーの捜索に向かう」
そんな面々を見回したスティーブは、立ち上がった。
「ロキの捜索は?」
4次元キューブを取り戻さねばならないのに、キャプテンは親友のことしか頭にないらしい。が、任務は任務だ。任務と自分の気持ちと板挟みになってしまったスティーブは、狼狽し始めた。
「それは、神様がやってるだろ。戻ってこないところを見ると、見つけたんじゃないか?」
助け舟を出すように、トニーがそう告げると、それまで黙っていたブルース・バナーが口を開いた。
「じゃあ、チームは解散?」
「必要があれば、また集まればいいんじゃないか?」
大欠伸をしたクリントも、そう言うと立ち上がった。
そろそろ解散の時間だと言わんばかりに、腕時計を見たトニーは、ポンっと手を叩いた。
「ここは、アベンジャーズの基地にすることにした。今はまだ改装中だが、終わったら好きに使ってくれ。私はマリブに帰る。じゃあな」
手をひらひらさせながらエレベーターへと向かったトニーは、振り返ることなくその場を後にした。

⑤へ…

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