「二人きりの時は名前で呼べよ」
初めて一緒に迎えた朝。
再びペッパーの身体に溺れたトニーは、まだ恥ずかしそうにする彼女をからかうように言った。
教え込むつもりはないが、トニーはペッパーに様々なことを一つずつ教えた。優秀な彼女はトニーに教わったことをすぐに覚えた。つまりペッパーはトニーにとって最高の生徒だった。
だが、一旦外に出ると、二人は教師と生徒という関係に戻った。関係を隠すため、二人は急接近したあの日以前のように振舞った。二人が『恋人』になるのは、日々就寝前に掛ける電話と、週末の甘い時間だけ。
それでもトニーもペッパーも、お互い毎日のように密かに見つめあっていた。例えば廊下ですれ違う時、トニーがペッパーにウインクしたり、そっと手を触れた りすることもあった。そして時々ペッパーがトニーにお弁当を作り、トニーの部屋でこっそりと食べるのも日課になっていた。
誰を気にすることもなく、二人きりになれる週末。夜にはペッパーは家に戻らなくてはならないため、時間は限られていた。だが、普段溜めている思いをぶつけるかのように、トニーはペッパーを激しく…時には一日中求めた。
喧嘩をしつつも、身体を重ねるたび、心の距離もどんどん縮まり、二人ともお互いにとってかけがえのない存在へとなっていった。
夏編へ続く…