A Man Of Her Type.

アベアカのこのシーンからの妄想。(画像は後ほど追加)
ある朝。いつものように、ペッパーが新入生に挨拶するのをトニーは物陰から見守っていた。
今日の相手はヘラクレス。神様だからソーやロキとも面識があるらしいが、トニーは気づいた。ヘラクレスがペッパーのことを早速『一人の女性』として見ていることに…。
ペッパーが靡くなんて絶対に思わないが、相手は神様だ。もしかしたらロキのように魔法が使えたりするかもしれない。そうなると、ペッパーに魔法をかけて…。
トニーは慌てて頭を振った。まさか初日からそんなことはしないだろうと考え直したトニーだが…。

予想的中。
ヘラクレスはペッパーのことをわざわざ「美しいペッパー」と呼んだ。そんなことは今更言わなくてもペッパーは美しいに決まっている。現にペッパーは変な顔をしているではないか。
と、ヘラクレスが口を開いた。今度は何を言うのかと、トニーは知らず知らずのうちに拳を握りしめた。
「後は誰かがキスしてくれたら…」
(おい!!何調子こいてんだよ!!)
目を見開いたトニーはその場で足を踏みならすと髪をかきむしった。
(ペッパーにキスしろだと?!ペッパーは俺のものだぞ!)
こうなったら、黙って見ている訳にはいかない。彼女に手を出そうなんて考えるなと、釘を刺しておかねばと、トニーは飛び出そうとしたのだが…。
すっと目を細めたペッパーは、唇を尖らせた。
「悪く思わないでね。私はね、ヒゲを生やした人が好きなの」
どんなに妙なことを言われても、大体は相手の機嫌を損なわないようにこやかに返答するペッパーが、初めて不機嫌そうに返答したのだ。
そして、ポカンと口を開けているヘラクレスを残すと、その場を後にした。

(ペッパー!さすが俺のペッパー!あの冷たい視線で睨まれれば、誰だって震え上がるもんな!!)
ガッツポーズをしたトニーはその場で小躍りし始めたが、はたと気づいた。自分は髭を生やしていないと…。
「…髭を生やした男が好きということは……俺じゃないのか?!」
真っ青になったトニーは、先程までの元気はどこへやら、ヘナヘナとその場に座り込んだ。

「髭…生えてるでしょ?」
と、頭上から声が聞こえた。ペッパーだった。
「え?」
目をパチクリさせるトニーに、ペッパーは恥ずかしそうにモジモジし始めた。
「だって…お昼過ぎにキスすると、いつもチクチクするもの…」
そういえば、元々髭が濃いため、朝は綺麗に剃っていくのに、昼過ぎると薄っすらとだが、無精髭になっている。
つまりペッパーが好きなのは…。
「それなら、『ハンサムで天才で金持ちな人が好き』と言えばいいだろ?」
気恥ずかしくなったトニーはわざと軽口を叩くと立ち上がったのだが、ペッパーは頬を膨らませた。
「私はあなたが天才でお金持ちだから好きになったんじゃないもの」
肩を竦めたペッパーだが、ふふっと笑うとトニーに抱きついた。胸元に顔を押し付けると、いつもよりも早い鼓動が聞こえ、ペッパーは顔を上げた。
「ねぇ、もしかして、ヘラクレスくんに口説かれるのを見て、不安だったの?」
図星だが、認めたくないトニーはふんっと鼻を鳴らしてみせた。
「俺は赤毛でソバカスの可愛い女の子が好きなんだ。それにその子は、他の男には絶対に靡かないし、俺のことだけを考えてくれている意思の強い女の子なんだぞ。だから信じてるんだ、その子のこと」
長く美しい赤毛の髪を梳いたトニーは、ペッパーの頬に手を添えた。親指の腹で頬をすっと撫でられ、キスをねだるようにペッパーは目を閉じた。

「ペッパー…」
甘く低い声と共に、唇が塞がれた。トニーのキスはいつだって言葉に表せないくらい素敵だ。今も甘く柔らかなキスにペッパーは身も心も溶けてしまいそうだった。
もっと彼を感じたいと思ったペッパーは、トニーの首元に腕を回し身体をぴったりとくっつけた。そして唇を少しだけ開くと、待ち構えていたように入ってきたトニーの舌に絡め始めた。
次第に深くなっていく口付けに、2人はそこがどこであるのか忘れ、お互いを求め合った。

「スターク、ポッツくん。その続きは人目につかない所でしろ」
突然聞こえきた野太い声に、我に返った2人は慌てて身体を離した。
見ると、腕組みしたニック・フューリーが真顔で仁王立ちしており、その背後にはゲスな笑いを浮かべた仲間たちが大勢集まっていた。
「す、すみませんっ!」
フューリーに怒られたと思ったペッパーは、真っ赤な顔してペコペコと頭を下げたが、トニーは違った。真顔なフューリーだが、その目は楽しそうに笑っていたから…。そこで、目をくるりと回したトニーは、ペッパーを抱き上げた。所謂お姫様抱っこをすると、ペッパーは勿論のこと、周りの女子生徒からも悲鳴が上がった。
「じゃあ、俺たちは人目につかない所に行きます」
そう宣言したトニーは、歓声と悲鳴が聞こえるなか、ペッパーを抱き上げたまま走り出した。

2 人がいいねと言っています。

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