アベアカで、犬に嫉妬するトニーが登場したので、その後の妄想話。
「トニーったら、まだ拗ねてるの?」
半日以上膨れ面をしているトニーに、ペッパーは気付かれないようため息を付いた。
事の発端は、アカデミーに新しくやって来た犬に対する何気ない一言だった。
『アカデミーで一番可愛い』とその犬に向かって告げたその言葉がトニーはお気に召さなかったらしい。
トニーがすぐにやきもちを焼くのは今始まったことではないが、相手は動物だ。トニーだってその犬を『可愛い』と散歩に連れて行ったり、公園で遊んでいたのだ。
「ラッキーのこと、超可愛いって言った…」
頬を膨らませたトニーは唇を尖らせると拗ねた様に呟いた。
「君が超可愛いって言っていいのは、俺だけなのに…」
(全く…バカじゃないの?)
呆れて言葉が出ないが、子供の様に拗ねているトニーは、それこそ可愛らしく、彼のそんな一面もペッパーは好きなのだが、それを彼に伝えると毎回拗ねて面倒なことになるのは目に見えている。
そこで、目をくるりと回したペッパーは、繋いでいた手を離すと、トニーの前で向かい合った。
「あなたは、超可愛いじゃなくて、超カッコイイの。それじゃ、ダメ?」
可愛らしく小首を傾げたペッパーは、上目遣いで様子を伺ってみた。
トニーがそれに弱いのを知っていてわざとやってみたのだが、案の定真っ赤な顔をしたトニーは鼻の頭を掻くと照れくささを隠すように、ペッパーにキスをした。
「ペッパーは超超超可愛いよな」
「あら、ありがと」
さっきまでの膨れ面はどこへやら、ペッパーの肩を抱き寄せたトニーは機嫌よく鼻歌を歌いながら歩き始めた。
そんな彼の横顔を盗み見しながらペッパーは思った。
『やっぱりトニーがアカデミーで一番可愛いわ』と…。




