昔は、人と分け合うという感覚はなかった。
だが彼女と出会い、そして共に過ごすようになってから、その考えは変わった。
彼女とはどんなことでも共有したい。思い出も何もかも分け合いたい。
そう思ったのは彼女が初めてだった。
生き方そのものも変えてくれた彼女には感謝してもしきれない。普段は照れくさくて言えない言葉も、こういう時になら言える…。
「はい、あなたの分よ」
2等分されたケーキを差し出したペッパーは、苺ののっている方をトニーに渡した。
「ありがとう、ペッパー」
皿を受け取ったトニーは、フォークに苺を突き刺すと口に放り込んだ。