Heat and Iron

IM3後のお話。

あの事件から二週間。
怪我もそこそこ治ったトニーは、マヤ・ハンセンの遺した研究を元に、ペッパーの治療法を見つけようと日夜奮闘していた。
持つべきものは仲間というべきか、事情を話すと、快く手助けを申し出てくれたのが、ブルース・バナーだった。

ということで、二人はNYのスタークタワーのラボで、ひたすら研究に励んでいるのだが…。

「スターク、大丈夫か?」
ある朝、やけに憔悴したトニーが気になり、ブルースは黙々と作業をするトニーに声をかけた。
一瞬ビクッと肩を震わせたトニーは、ぎこちない笑顔を貼り付けた。
「だ、大丈夫だ!それより、早く見つけてくれよ」

トニーが憔悴しているのには、訳がある。それは、ペッパー。
あの日以来、力関係(肉体的な意味で)が逆転してしまった二人。今まではトニーに抱かれていたはずのペッパーだが、今ではトニーがペッパーに抱かれているのだから…。
初日こそ失敗(力加減が分からず、トニーの骨を数本折ってしまった)した二人だが、徐々に慣れてきたのか、ペッパーも加減できるようになった。
だが、昨晩は違った。
そもそも、久しぶりにシャンパンを呑んだのが間違いだった。
やや酔っ払ったペッパーが、トニーに抱きついたのを合図に、二人はソファーの上で愛し合い始めた。
ペッパーの服を手際よく脱がせたトニーだったが、力加減を誤ったペッパーは、トニーの服を引き裂いた。この時点でトニーも気づけばよかったのだが、性欲の方が勝っていたため、そのまま続行。
ペッパーの全身を愛撫し、ドロドロに溶け始めたのに気づいたトニーが、蜜壺に指を数本入れた時だった。それまでは、いつもの瞳に欲情を浮かべている程度のペッパーだったが、いつの間にか宿っていたのは、あの燃えるような赤い瞳。
(しまった…これはまずい…)
トニーは指を抜き、身体を離そうとしたが、続きを待ち望むペッパーがトニーの両手を掴んだ。
「な、何で…やめるの?」
掴まれた手首が悲鳴をあげる。ミシミシと骨の軋む音がし始め、トニーは苦痛に顔を歪めた。
「ぺ、ペッパー…い、痛いから、離せ!」
その声にパッと手を離したペッパーだが、真っ赤になった手首を摩るトニーを押し倒した。
「おい!ペッパー!」
目を白黒させるトニーの肩を押さえつけたペッパーは、赤く光る身体をトニーに摺り寄せた。
「お願い…ガマンできないの…。抱いて…」
ここだけの話だが、燃えるように熱い身体はトニーの性欲を駆り立てるため、正直病みつきになってはいるのだが…今日はどうやら加減ができそうにないペッパー。
(これは、怪我の一つや二つは覚悟しなければならないな…)
ため息をついたトニーの下半身に手を這わせたペッパーは、目的のものを手に取ると、腰を沈めていった。

その後何度も求められ、意識が朦朧とし始めたトニー。身体中アザと軽度の熱傷だらけだが、ペッパーは気づいていない。両手でしがみつかれた肩は、骨が軋む音がしていたが、先ほど妙に鈍い音とともに激痛が走ったため、もしかしたらまたしてもヒビでもいったのかもしれない…。

昨晩から今朝にかけての情事思い出し、左肩を動かしたトニーは、痛みのあまり顔をしかめた。その時…。

バターン!

という大きな音がラボに響き渡り、トニーとブルースは椅子の上で飛び上がった。

「トニー!私のチョコ、食べたでしょ!」
部屋に入ってきたのはペッパー。怒りで鬼のような形相…文字通り、真っ赤に燃え上がった瞳、そして首筋から胸元まで皮膚は赤くなっており……つまりはとても怒っている。

「す、すまない…。つ、つい…美味そうで…」
真っ青になったトニーはしどろもどろに答えるが、そんなトニーにペッパーは詰め寄った。
「美味しそうって…私がどれだけ楽しみにしていたか知ってるでしょ!あなたが買ってきてくれたのよ!あの限定販売のチョコ!」
怒りにまかせてそばの机を叩いたペッパー。もちろん机は派手な音をたてて壊れた。
飛び上がったトニーは、床に這いつくばり、頭を下げた。
「あ、謝ってすむことではないかもしれないが…。すまなかった!もう二度と、つまみ食いはしない!許してくれ!」
土下座するトニーの前に仁王立ちするペッパー。
「一緒に食べようと思ってたのよ!」
「す、すまなかった…何でもするから…許してくれ…」
相変わらず頭をさげたままのトニーの首根っこを掴んだペッパー。
「ホントに反省してるの?!」
そのままトニーの身体を上へ持ち上げていくではないか。
首元が締まり、息苦しくなり始めたトニーは、必死で足をばたつかせた。
「し、してる!はんせ…い…してる…。あい…してる…」
息ができなくなり、真っ赤な顔をしたトニーに、我に返ったペッパーは、慌てて手を離した。
「と、トニー!ご、ごめんなさい…。私…また…」
ゴホゴホと咳き込むトニーに、目に涙を溜めたペッパーはそっと抱きついた。
「い、いや…いいんだ…。私が…悪かったんだから…」
愛する者には弱いと言うべきか、はたまた彼女がこうなった一端は過去の自分の行いに原因があると自覚しているためか、怒るに怒れないトニーは、くっきりと指跡の残った首筋を恨めしそうに触った。

そんな二人の修羅場を、机の下に隠れこっそり見ていたブルースだったが…。
(痴話喧嘩が原因で、スタークが殺されるのも時間の問題だ…)
ブルースは決意した。一刻も早く治療法を見つけようと…。

そしてその数週間後、起き上がれないほどボロボロになったトニーと引き換えに、治療薬は完成したのだった…。

IM3後のトニペパ。エクストリミスペッパーに振り回されるトニー第一弾。

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