97. Protect

『君だけは必ず守る』
そう言うと彼は私を小部屋に隠し、自分は飛び出して行った。
ドアに耳を付け、外の様子を伺う。

叫び声と共に、いくつもの銃声が聞こえた。
そして静寂が訪れた。

そっとドアを開け部屋を出ると、彼がいた。
血塗れでボロボロになった彼が…。
「トニー?」
真っ赤な海に跪き顔に触れる。
閉じかけた瞳に光はない。
つまり彼は…。
「いや……いやよ!嫌!!!」
冷たくなった身体に縋り付き、ただひたすら彼の名前を呼び続けると、冷酷な声が聞こえてきた。
「スタークは死んだ。自業自得だ」
振り返ると、彼のかつての仲間がいた。その手には彼の命を奪った物を持って…。
「…どうして…」
どうしてかは知っている。どうしてこんなことになったのかは知っている。でも、本気だとは思っていなかった。まさか命を奪うとは思っていなかった。
「やらなければこっちがやられる。だからだ」
彼は命を奪おうとまでは思っていなかった。現に、彼はアーマーも着ておらず武器も持っておらず、生身で彼らに向かって行ったのだ。彼はただ、私や彼の大切な人を守りたかっただけなのに…。
「お前も死ね」
銃口が一斉に私に向けられた。

どうして私には彼を守る力がないの?
いつも守られてばかりだった…。
お願いします…。今度生まれ変わったら、彼を守る力を私にも下さい…。
もう二度と彼を失いたくないから…。

銃口から弾が飛び出すのを見届けた私は、目を閉じた…。

※もしもトニーがアベンジャーズの敵となったら…

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