59. Future

『あなたとの未来が見えない』
星の数ほどいた女性たちは、口をそろえて言ったものだ。
実際のところ、トニーには彼女たちとの未来どころか、翌日のことでさえも見えなかったのだが…。
だがペッパーは違った。初めて結ばれた日から数日後、何となく将来の話になった時、ペッパーはトニーの目をじっと見つめて言ったのだ。
「私には見えるわよ。あなたとの未来。私のそばにはあなたがいる。どんな時も…」
ペッパーの言葉に目を閉じたトニーの脳裏に、手を繋ぎ寄り添うペッパーと、そして自分たちによく似た子供たちが走り回る姿が浮かんだ。
「そうだな。私にも見える。君との未来ははっきりと…」
よかったわと嬉しそうに笑うペッパーを、トニーはこの存在だけは手放さないと心の内で誓ったのだった。

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