Toward The Future with you⑦

3週間後。
週に何度かのリハビリと、そして定期的な検診が必要だが、日常生活が送れるようになったトニーは退院した。
ペッパーが用意してくれたTシャツとジーンズは以前着ていた物だったが、今のトニーにはぶかぶかだった。
「こんなに痩せてしまったんだな…」
恨めしそうに鏡を見たトニーだったが、泣き出しそうなペッパーに気付くと笑顔を向けた。
「さあ、ハニー、家に帰ろう」

しばらくは心臓に負担を掛けないように安静を言い渡されたトニーは、一刻も早くペッパーを抱きしめたかったのだが、残念ながらアレも禁止されていた。仕方なしに硬く抱き合い眠るつもりだったのだが…父親が戻ってきたと大喜びの子供たちが、入れ替わり二人のベッドに潜り込んでくるのだから、そんな暇がなかったのも事実だった。

2週間後、検診から帰って来たトニーは、キッチンで夕食の準備をしているペッパーに背後から抱き着いた。
「ハニー、お許しが出たんだ。だから…」
甘い声で囁かれ耳朶を甘噛みされたペッパーは真っ赤な顔をして飛び上がった。だが、ペッパーも待ち望んでいたのだから、早々に子供たちを寝かせた二人は、キスをしながら寝室へ急いだ。
だが…。
「ペッパー…すまない…」
いつもなら元気いっぱいなのに、トニーのアレは本人同様頭を垂れてしょげている。
「精神的なものかしら?病院では元気だったでしょ?」
手に取りゆっくりと撫でてみるも、元気を取り戻す気配すらないのだ。裸でベッドの上に正座したトニーは、口を尖らせた。
「肝心な時に…」
よほど待ち望んでいたのだろう。涙目で自分のものをつついている目の前の夫が愛おしくなったペッパーは、彼に飛びつくと頭を抱え込んだ。
「大丈夫よ。すぐに元気になるわ。だから、今日はこうやって寝ましょ?」
そう言うと、トニーを押し倒したペッパーは、彼の腰に脚を巻き付け、胸元に残る傷跡に唇を這わせると、頬を摺り寄せた。
「でもよかったわ。あなたとこうしてまた抱き合うことができて。本当によかったわ…」
顔や首筋にキスを繰り返す妻の柔らかな身体は、手術前とちっとも変わりなく、トニーはようやく元の生活に戻ってこれた気がした。
「そうだな。だが、もっと元気にならないと」
ペッパーの唇を啄ばんだトニーは嬉しそうに笑みを浮かべた。
「そうね。美味しい物をたくさん作るわね。それから…」
笑みを浮かべたペッパーは、トニーの耳元で囁いた。
「私のこともいっぱい食べて…」
甘く囁かれたその言葉は、トニーの脳天を突き抜けたわけで…。
「と、トニー…あ、当たってる……」
トニーに抱きしめられ身体をぎゅーっと押し付けられているペッパーは、お腹に当たる硬く熱い物に気付くと、顔を真っ赤にした。妻の可愛らしい反応にニヤリと笑ったトニーは、身体を反転させると、ペッパーをベッドに押し付けた。
「あぁ。知っている。どうやら完全復活だ。今から君のことを一晩かけて戴こうと思うんだが…いいか?」
(どうやら今夜は眠れそうにないわね。でも、彼が元気になってくれたんですもの…。お祝いよね…)
と思ったペッパーだが、身体中に受けるキスにさらに顔を赤らめると小さく頷き、トニーの身体にしがみついたのだった。

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