All my treasures⑦~Oh,Girl!~

今夜も励むトニーとペッパー。
エストも2歳と数ヶ月。
あと2人は子供が欲しいと思っている二人は、ペッパーの年齢のこともあり、少々焦っていた。

顔を枕につけたペッパーを容赦無く背後から突くトニー。
もう何度絶頂を迎えたか分からないペッパーは、トニーに突かれるたびに身体を震わせ、もう訳が分からなくなるほど感じていた。

ペッパーが歓喜の声をあげる中、今宵もトニーがペッパーの方へ倒れこんだ時には、ペッパーは気絶していた。

翌朝…
「おい、ペッパー…そろそろ起きないと…」
さすがに連日連夜の行為で、二人とも足腰が立たなくなってきていた。
今日は一時休戦しないとさすがに無理だな…。
そう思いながらトニーはベッドの下に散らばった下着と服をかき集め、シャワーを浴びにバスルームへ向かった。

シャワーを浴びてスッキリしたトニーが寝室へ戻ろうとすると、かわいい娘の部屋から泣き声が聞こえる。部屋に入るとベッドの中ではエストがシクシク泣いているではないか。
「おはようエスト。あれ?ペッパー…いや、ママは?」
「パパ!」
トニーの姿を見て泣き止んだエストを抱き上げると、トニーは寝室へ戻った。

ベッドを見ると、シーツが丸くなっている。どうやらペッパーは珍しくまだ寝ているようだ。
「おい、ペッパー!起きないと遅刻するぞ!」
エストをベッドに降ろし、顔を覗き込むと…。
「トニー…どうしよう…。動けないの…」
「え?!」
「腰がたたないの…。もう…あなたがあんなに張り切るから…」
「わ、私のせいか?!」

…いや、どう考えても自分のせいだな…昨日だけではない。その前もその前も…要するに約1か月間ほぼ毎日のように…。

「…すまない」
「…私もイヤって言わなかったから…」
どちらともなく照れてしまい真っ赤になった二人を不思議そうに見つめるエスト。
「とにかく、今日はごめんなさい…動けそうにないから…」
「分かった。エストは連れて行くよ」

トニーは、ペッパーのパジャマを枕元に置き、頭を撫でながら心配そうに言った。
「何かあったらすぐ電話しろ。いいな」
「分かったわ…ごめんね、迷惑かけて…」
「謝るなよ…。愛してるよ、ハニー」
ペッパーの頭にキスをおとしたトニーがエストを抱きかかえようとした時、何を思ったのか、エストがシーツを引っ張った。

「キャー!!!!!」

憐れ、ペッパー。
シーツをはぎ取られたペッパーは、何も着ていないわけで…。
「おい!エスト!」
慌てたトニーはシーツを奪い返しペッパーにかぶせたが、時すでに遅し。
「ママー。ふく、ないない!」
ペッパーを指さし「おー」と驚いた様子のエストを抱き上げると、トニーは急いで寝室から出て行った。

エストを着替えさせ、朝ごはんを食べさせたトニーは、自分の車のチャイルドシートにエストを乗せた。
いつもは母親と一緒なのに今日は大好きな父親が一緒なのだから、エストは大はしゃぎ。
「パパ!パパ!いっちょ!」
喜びのあまり手足をばたつかせていたエストの足が、ちょうどベルトを締めていたトニーの顎を直撃した。
「痛て!!」
ズキズキと痛む顎を抑えたトニーがうずくまっていると、
「あう?パパ?」
と一応心配そうなそぶりはしているが、すぐに手足をばたつかせようとしたため、トニーは慌てて運転席へ向かった。

まさか自分の好きな音楽をかけるわけにもいかず、トニーはエストの好きなディ○ニーのCDをかけた。
「ハホーハホー♪」
CDに合わせて大きな声で歌うエスト。
チラチラとミラー越しに様子を伺うと、手を叩きながらご機嫌だ。
だが、ミラー越しに目があった瞬間
「パパも!」
と、すごい形相で睨まれたトニー。
「え?!ぱ、パパも歌うのか?!」
ドキドキして見返すと、当然でしょ?!と、ペッパーそっくりな表情でうなずく娘にトニーもタジタジだ。
(誰が聞いているわけでもないし…)
と一緒に歌い始めたトニー。
実はかなり歌の上手いトニー。いつの間にか本格的に大熱唱。
しかも先ほどエストに蹴られた時に、運悪くパワーウィンドに手が当たってしまい、後部座席の窓が少しだけ開いていたのだから、トニーの歌声は外へ響き渡っており…。それをすれ違い様に出社する社員に聞かれていたのをトニーは知らない…。

出社したトニーは、託児所へ向かった。大きなカバンを肩から下げ、ぴょんぴょん跳ねるように歩く娘の手を引いて歩くトニー・スタークの姿に、行き交う社員は皆足を止めた。ある者はほほえみ、ある者はショックに打ちひしがれていたが…。

託児所にトニー・スタークが来た!
いつもは母親であるペッパーが送迎に来るのに…。
滅多にない出来事に託児所のスタッフも我が子を送ってきていた母親たちも皆色めきだった。
「え?!な、何で!社長が!!」
「ヤダ!私、もっとおしゃれしてくればよかった!」
「社長がすっかりパパよ!きゃー!ステキ~!!」
一気に自分たちに視線が集まったのを感じ、トニーは苦笑い。そしてエストは…。

「おはようございます、社長。あら?珍しいですね」
「おはよう。妻が寝込んでいてね…。迎えも私が来るから…」
「分かりました。何かありましたら、社長にご連絡いたします」
託児所のスタッフにエストの荷物を渡すと、トニーはしゃがみこんでエストの頭を撫でた。
「じゃあな、エスト。いい子にしてるんだぞ」
「あい!パパ!ちゅきよ」
頬にキスをしてもらったトニーは、立ち上がり立ち去ろうとした。

背後ではスタッフがエストと話をしているのが聞こえるが、振り返るとカワイイ娘との別れが辛くなるので、トニーは歩き続けた。
だが…

「エストちゃん?今日はパパと一緒なのね?ママは?」
「ママ?ママねー、ねんねなの。ふく、ないない!」
「え?!寝てる?洋服を着てない?」
「うん!パパね、ママだいちゅき。ちゅーするの!」
「え?!そ、それって…つ、つまり……」

その場にいた誰もが顔を赤らめ、ざわめきたった瞬間…

「わぁぁぁぁ!!!」
と叫びながらトニーが慌てて引き返してきた。
「パパ!」
猛スピードで戻ってきた父親に抱きつくエスト。
「え、エスト?!ま、ママは、風邪を引いたんだよ!な!」
慌ててフォローしたトニーだが、エストはさらに追い打ちをかけるような言葉を大きな声で言った。
「うん!ちぇんちぇー!ママね、ふく、ないない!かぜなのよ!」

大きな声でそんなことを言われては…。逆に墓穴を掘ってしまったトニーは、真っ赤な顔をして
「じゃあ、娘をよろしく…」
と、足早に去って行った。

トニーが去った後、託児所内では…
「キャ~!社長ったら!奥様とラブラブね!!ステキ~!!」
と、ペッパーを羨ましがる者もいれば、
「イヤー!!社長の愛人の座が…」
と泣き叫ぶ者もいたとかいないとか…。

そんな母親たちの叫び声を聞きながら…
パパはママのものなのよ。ママ、今日もパパをよそのおばちゃんたちから守ったよ…。エストはニンマリ微笑んだのだった。

そして、その場にいた者全員の口から、今日の出来事はあっという間に広まり、翌日エストを送ってきたペッパーは、みんなに散々からかわれたのだった。

***
パパをよそのおばちゃんから守るのが使命です

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