Take you home

「ここがお家よ」
ペッパーはエストを抱き上げると、5日ぶりの我が家へと足を踏み入れた。

『お帰りなさいませ。ペッパー様、エステファニア様』
スターク家の電脳執事が2人を出迎えてくれる。
「ただいま、ジャーヴィス。エスト、ジャーヴィスよ。私たちの大事な家族の一人よ」
『エスト様、初めまして。ジャーヴィスと申します。ペッパー様、エスト様はトニー様によく似ていらっしゃいますね』
「そうなのよ、ジャーヴィス。生まれたばかりなのにね…」
どこからともなく聞こえる声に、エストはキョロキョロと目線を動かした。

「ペッパー、荷物は全部寝室に運んだぞ」
トニーが階段の上から声をかけた。
「ありがとうトニー。今ね、エストに家族を紹介してるのよ」
「家族?」
「えぇ。ジャーヴィスには紹介したわ。後は…ねぇ、一緒に来て。あなたから紹介してあげて?」
そう言うとペッパーはラボへと降りて行った。

ペッパーに続いてラボに向かったトニーは、ペッパーからエストを渡され、ダミーとユーの方へと歩いて行った。
「エスト。ダミーとユーだ。ほら、私のかわいい娘に挨拶しろ」
(ウィンウィン…)
トニーに言われ首を動かし挨拶するダミーとユー。
ダミーがエストに近づくと、小さな手がダミーを掴んだ。
「あら?さすがあなたの子ね。ダミーのことが気に入ったみたい」
「おい、ダミーは私のだぞ。しょうがないな。かわいい娘のためだ。エスト用の”ダミー”を作るか」
「トニー…。私には作ってくれなかったのに…」
わざといじけたように言うペッパーにトニーは
「君のはここにいるだろ…”トニー・スターク”ではご不満ですか?ミセス・スターク?」
と、唇にキスを落とそうとした。するとトニーに抱かれているエストがまるで「パパとママやめてよ」と言うように、ウェーンと短く泣いた。

トニーとペッパーの寝室には、小さなベビーベッドが置かれていた。
腕の中で眠ってしまった小さな娘をベッドに寝かせると、トニーは荷物を片付けているペッパーの横に座った。

「ペッパー…プレゼントがあるんだ」
ペッパーの背後に回り、手に持っていた物を首にかけた。
「何?トニー…」
ペッパーが横にあった鏡を覗き込むと、首元には小さなプレートのついたゴールドのネックレスがかかっていた。よく見るとプレートには「Estefania」と彫られているではないか。

「トニー、これ…」
「裏も見てくれ…」
ペッパーが小さなプレートを裏返すと
「T&P」
と刻まれていた。

「私に家族ができたんだ。優しい妻とかわいい娘が…。ヴァージニア、君のおかげだ。ありがとう。感謝の意を込めて…君にプレゼントだ」
トニーはペッパーの目からこぼれ落ちそうな涙を指先でそっと拭うと、肩を抱き寄せた。
「私にも世界一素敵な旦那様と娘がいるのよ。知ってる?アンソニー、あなたのおかげよ」
そう言うと、ペッパーはトニーの肩に頭をのせ、幸せそうに微笑んだ。

***
執事とアーム、小さな主に初対面

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