「2013年年末年始ネタ」カテゴリーアーカイブ

New Year’s Eve(トニペパでカウントダウンパーティー)

「トニーったらどこに行ったのかしら?」
もうすぐカウントダウンが始まるというのに、トニーの姿が見当たらない。社長であるトニーが壇上でカウントダウンをする予定なのだから、本人がいないと元も子もないのだ。
開始予定時刻まで後5分。あちこち探し回るペッパーの目に、トニーの姿が飛び込んできた。
「トニー!どこへ行ってたの!」
非難めいた声と三角につり上がった目を無視したトニー。
「外の空気を吸いに。何だ、その目は?間に合ったからいいだろ?」
と言うと、さっさとステージへ駆け上がった。まだブツブツと文句を言っているペッパーの手を引っ張ると、トニーは彼女を壇上へと引き上げた。そして、腰を抱き寄せると、社員から渡されたシャンパンを片手に挨拶を始めた。
いつもの軽快なトークに笑いに包まれる会場だが、ペッパーはそれどころではなかった。というのも、背後が見えないのをいいことに、トニーの手が背中を這い回っているのだ。しかも、ドレスは背中の部分が大きく開いたタイプ。もちろん下着を着けている訳もなく…。
背中を這い回る感触に小さく震えたペッパーは、まだ話をしているトニーのジャケットを掴むと、真っ赤になった顔を隠すように無理やり笑顔を張り付けた。
ちらりとペッパーを見たトニーは意地悪な笑みを浮かべたが、ペッパーに軽く睨まれると舌を出した。

新年まで後1分となり、パーティーの司会者の合図でカウントダウンが始まった。ペッパーの頬にキスをしたトニーは、手を優しく握るとにっこりほほ笑んだ。
「ハニー、年が明けたら…な?」
「え?何?」
小首を傾げたペッパーだが、トニーは笑うばかりで何も言わない。
二人が話しているうちに、カウントダウンはどんどんと進み、気が付けば残り5秒。カウントダウンの声は今や大合唱と化している。

「3・2・1……ハッピーニューイヤー!!」

新年になると同時にクラッカーが盛大に鳴り響き、辺りは大歓声に包まれた。
大騒ぎになっている会場の一方で、トニーはステージ上でペッパーにキスをしていた。
硬く抱き合いキスをし続ける二人。いつものことなのか、会場の人々の大部分は気にする風でもない。
やがて唇を離した二人だが、ペッパーはキスに酔ったのかぼんやりとしている。その隙に、トニーは華奢な指に指輪を滑り込ませた。
どうやらペッパーは指輪には気付いていないようだ。
(さて、いつ気付くだろうか?気付かなかったらお仕置きだな)
ニヤリと笑ったトニーはうっとりと自分を見上げるペッパーを抱き寄せると
「Happy New Year!」
と叫びながら会場を後にした。

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New Year’s Eve(スターク家の場合)

「なぁ…頼むからもう寝てくれ…」
リビングのソファーに踏ん反り返った娘の隣で、トニーはむっつりとしている。
今日は大晦日。毎年早々に子供たちを寝かせた後は、夫婦二人きりで年越しを楽しんでいたトニーだが、今年は様子が違った。
普段は早く寝る子供たちがいつまでたっても寝ようとしないのだ。
「イヤ!きょうはね、がんばっておきとくの!」
どうして起きていようとするのかさっぱり分からない。
チラチラと…いや、イライラと先ほどから視線を送ってくるトニーからは不機嫌なオーラが出ているのだが、さすがは娘というべきか、エストは気にする風でもなく子供向きの番組も終わったテレビを睨みつけている。
「でも、さっきから欠伸ばっかりしてるわよ?もう寝なさい」
見るからに眠そうな娘に苦笑しながら言ってみるも、エストは聞く耳を持たない。
「だいじょうぶよ。エスト、おひるねしたから、まだねむくないもん!それにね、エリもね、まだねむくないって!」
と、同意を得るように弟を見るが、うとうとし始めたエリオットはトニーの腕の中で半分眠っているではないか。
「ほら、エリはもう寝たいって言ってるぞ。だからエストも…」
父親と弟を見たエストだが、テーブルの上のジュースを取ると飲み干した。
困ったわね…とため息を付いたペッパーは、早く寝ろとばかり言われて口を尖らせている娘に尋ねた。
「どうして起きていたいの?」
理由を話せば起きていても怒られないだろうと思ったエストは、両親を交互に見ると遠慮がちに話し始めた。
「だってね、パパとママ、いっつもいいことしてるんでしょ?エストがねんねしたあとに…。」
「え……」
思わず顔を見合わせたトニーとペッパーだが、娘は恐ろしい言葉を続けた。
「エスト、しってるよ。このまえのおおみそかにね、パパとママ、おへやでいいことしてたでしょ?パパが『ハニー、これでとしこしだ!』っていったら、ママね 『もっとして』ってよろこんでたもん。だからね、エストも…」
「き、聞いてたの?!」
エストの言葉を遮るように叫んだペッパーの声の大きさに、眠っていたエリオットは目を覚ますとぐずり始めた。
真っ赤になりうろたえる母親と、青ざめながらも弟を必死であやす父親。エリオットを抱いているためトニーの首根っこを掴めないペッパーは、代わりに背中をバシバシと叩き始めた。
「だからいっつも言ってるの!もっと手加減してって!」
「おい!君の声が大きいからだ!私のせいばかりにするな!」
言い合いを始めた両親。どうやら言ってはいけないことを話してしまったらしいと気付いたエストは、ソファーから飛び上がった。
「あ、あたし、ねむくなっちゃった!もうねんねするね!」
子供部屋に駆け上がったエストは頭から毛布をかぶると、アイアンマンのぬいぐるみを抱きしめた。
(かみちゃま、パパとママがなかなおりしますように…おねがいします)
目をぎゅっと閉じ、天の神様に祈っていたエストだが、いつの間にか眠ってしまった。

翌朝、目を覚ましたエストは飛び起きるとキッチンへと向かった。
キッチンでは母親が朝ごはんを作っていた。その後ろ姿はとても嬉しそうで、鼻歌まで歌っているではないか。
「ママ…おはよ…」
恐る恐る声をかけると、母親は恐ろしいほどの笑顔で振り返った。
「あら、エスト。おはよ」
お肌はつるつる、そして美しさに一層磨きがかかった母親はとても幸せそうだ。こういう時の母親は、父親と仲直りした後だと知っているエスト。
(よかった…パパとママ、なかなおりしたんだ)
ホッと息を吐いた彼女は、椅子に座ると隣のハイチェアに座っている弟の頭を撫でた。嬉しそうに声を上げたエリオットは、小さな手をパチパチと叩くと
「だーだっ!」
と、父親を探し始めた。
休日は大体遅くまで寝ている父親なので、当分起きてこないだろうと分かってはいるが、一応聞いてみることにした。
「パパは?」
なぜか顔を赤らめた母親。
「パパはねぇ…今日は起きれないんですって」
と言うと、自業自得よね…と、ペッパーは小声で呟いたのだった。

拍手お礼再掲。2013年年末年始ご挨拶。(エスト5歳 エリオット1歳)

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