29:60.融和

三ヶ月後。
卒業式を終えたペッパーは、その足でNYへ向かった。
トニーは数週間に退院したが、卒業を控えていたペッパーは忙しく、もちろんトニーの退院に付き添えなかったばかりか、二人は一ヶ月半近く会っていなかった。
久しぶりにトニーに会うということもあり、ペッパーはいささか緊張しながらスターク社へ向かった。
受付で名乗ると、受付嬢は優しく微笑み、
「お待ちしておりました、ポッツ様」
と、社長室へ連れて行ってくれた。

「少しお待ちください」
と、受付嬢が退室した後、落ち着かないペッパーは部屋の中をウロウロし始めた。トニーにしては珍しくスッキリと片付いたデスクには、たくさんの写真立てが置いてある。興味本位に覗き込むと、どれもペッパーの写真だった。会えなかったこの一ヶ月半、少しでもお腹の子供の様子が分かるようにと、毎週のようにお腹を写した写真を送っていたのだが、トニーはそれを全て飾ってくれていたのだ。
「トニーったら…」
他にも二人で撮った写真がたくさん飾られており、ペッパーが手に取り眺めていると、ドアが開き松葉杖をついたトニーが現れた。

「ペッパー!」
満面の笑みを浮かべたトニーは、松葉杖を手放すと両腕を広げた。その腕に飛び込むように駆け寄ってきたペッパーを抱きしめたトニーは、力強く彼女を抱きしめた。
「ペッパー、卒業おめでとう。これからはずっと一緒だ」
トニーの腕の中でペッパーは幸せだった。
『これからは、ずっと一緒』
その言葉を聞きながら、ペッパーは最愛の人の胸元に顔を埋めると、心地よい心音に目を閉じたのだった。

高校生パロ。社会人トニー21歳 大学生ペッパー19歳。

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