一家はトニーの退院祝いで、LAへ向かっていた。初めて乗る飛行機に、モーガンはNYからLAへ向かう道中、ずっと窓の外を眺めていた。窓ガラスにへばりついて外を眺めている彼女は、何か目新しい物が見える度に、興奮気味に両親に報告した。そんな娘を、トニーとペッパーは笑顔で見つめていた。
LAに到着した一家は、ヘリコプターに乗り換えると、ディズニーランドへと向かった。
モーガンは驚いた。こんなに大勢の人がいる光景は初めてだったから…。最初は怖かった。だが、誰もが皆楽しそうに笑っているし、両親がいるのだから…と思うと、平気になった。
初めての夢の国に、モーガンは目を輝かせてキョロキョロとしている。
母親の左手と父親の右の義手を握りしめたモーガンは、飛び跳ねるように歩いており、全身から嬉しさを醸し出していた。
「パパ!ママ!あれにのる!」
モーガンが指差したのは観覧車だった。
早速乗り込んだ3人を乗せて、観覧車は動き出した。どんどん遠ざかる景色に、モーガンは歓声を上げた。何もかもが楽しくて仕方ない娘の姿を、トニーとペッパーは記憶と共に記録として残そうと、写真と動画を必死に撮影した。
観覧車から降りると、モーガンを抱き上げたまま、トニーはペッパーと手を繋ぐと歩き始めた。
「意外と気づかれないものなのね」
辺りを見渡したペッパーは夫に囁いた。
トニーもペッパーもサングラスと帽子を被っており、トニーも義手を隠すために真夏なのに長袖のシャツを羽織っていた。
変装しているつもりはないが、10年近く前、恋人になったばかりの頃に2人でこの地へやって来た時、大変な目にあったのだ。
『トニー・スタークとペッパー・ポッツがディズニーランドでデートをしている』とどこで掴んだのか知らないが、パパラッチは押し寄せ、そしてトニーは女性に追いかけ回され、ろくな思い出がない。
そのため、今回はなるべく目立たないようにしようと、2人は決めていたのだ。
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