それは一筋の希望だった。
人類の半分が消滅し、当たり前が当たり前でなくなった暗闇の世界の中に、希望の光は誕生した。小さな小さなその手に、沢山の愛を抱えて…。
壊れそうなくらい小さな手にそっと触れたトニーの目から大粒の涙が零れ落ちた。
「トニー、抱いてあげて」
神々しい笑みを浮かべた妻から娘を手渡されたトニーの胸は、今まで感じた事のない程の温もりに包み込まれた。
世界一守りたい存在はペッパーだった。だが今この腕の中にある存在もまた、トニーが命をかけて守りたい存在となった。
この世にいる限り、ありったけの愛を…抱えきれないほどの愛を与えよう…。いつか訪れるであろう別れの時が来るまで…。
人目を憚らず涙を流したトニーは、同じく涙を流しているペッパーを抱き寄せた。
「ありがとう、ペッパー…」