SWなSSの過去ログ②

戦場で10のお題(Thanks:豆腐屋小町):ハンレイ
「ブラック・フリート」シリーズのように死にかけのハンと心配するレイアが書きたくて書いたら、流血ありのハンがありえないくらい可哀想なことになりました(汗)
時代的にはレイア元首就任の11ABY前後設定。スピンオフは無視しまくりです。

1.行ってきます

<ハンサイド>

「愛してるわ。」
オレのお姫さまは、目に涙をいっぱい溜めて、腕に抱いた末っ子をギュッと抱きしめた。いつもは走り回ってにぎやかな双子もなぜか大人しく、オレのズボンをギュッとつかんで離さない。

あぁ、そうさ。いつものようにうまくいくさ。
なんたって、オレは運がいいんだ。今までもどんなに難しい交渉でも、ブラスター1丁あれば乗り超えてきたじゃないか。

でも、なぜか今回は胸騒ぎがする。
隣にいつもの毛むくじゃらの相棒がいないからか?
不思議な力を操る義理の兄弟がいないからか?

そんな不安を悟られないように、オレは双子を両腕に抱えると彼女に近づいた。
双子と末っ子の頭をクシャっとなでると、愛しのプリンセスに熱い口づけ。
そして、二人のお約束となりつつあるあのセリフを耳元でそっとささやいた。
「分かってるさ。」

振り返って彼女の涙を見ればすべてが終わってしまう気がした。
そんな不安を拭い去るかのようにとびっきりの笑顔を残して、タラップを駆け上がった。

<レイアサイド>

いつものように送り出せばいいはずだった。
いつものように熱い口付けと抱擁を残してあなたは出発し、数日もすればそのとびっきりの笑顔で戻ってくるのに。

でも、今日に限って彼が消えそうに見える。一瞬だけど、血まみれで倒れている彼の姿が見えた。
もう会えない予感がする。
ブラスターがいるような難しい交渉じゃないはずなのに。
言葉には出さないけど何か感じているのかいつもは元気いっぱいの双子も今日はやけに大人しい。

これもジェダイの勘ってヤツなのかしら自分に与えられた能力がこんなときは恨めしく思われる。

「愛してるわ。」
そんな不安を消し去ろうと腕に抱いた末っ子をギュッと抱きしめる。
いやだ。笑顔で送り出そうと思ったのに、涙が止まらない。

気づけば、双子を両腕に抱えた彼が目の前にいた。
いつもの笑顔を浮かべてるはずなのに、なぜか哀しそうに見える。
子供達の頭をなでると、いつもよりも熱い口付け。
名残惜しそうに離れると耳元でささやかれたのはあのお決まりのセリフ。

「分かってるさ。」

えぇ、分かってる。
きっと数日もすればタラップを駆け下りてきて、私はあなたの広い胸の中に飛び込めるって。
そして家に帰って2人っきりになれば、離れていた時間を埋めるように強く抱きしめてくれるって。

「必ず戻ってきてね、ハン」

振り返ることなくタラップを駆け上がって行くあなたの背中にそっと呟いた。

2.重装備

こいつはいつだって着慣れないな・・・。
襟元のボタンを止めながらハン・ソロは大げさにため息をついた。
いつもの身軽な格好に比べれば、この着慣れない軍服はなんて重装備なんだ。

「あなたの軍服姿って最高にステキよ、ダーリン」
ただの下見なんだから、いつものカッコでいいだろうとしぶるオレに、上目使いで言うレイア。
畜生、あいつにあんな顔されちゃぁ、断れないだろう・・・。

まぁいいさ。調印式の打ち合わせをしながら食事するだけさ。
なんて簡単な仕事なんだ。
だけどなぜだか胸騒ぎがする。
「嫌な予感がするってことか?」
そう言って、鏡の中の自分ににやっと笑うと襟元を正した。

さぁ、さっさと終わらせて、我が家へ帰ろう。

3.真夜中の爆音

「明日には帰るからな」
いつものようににやっと笑って、「パパ、パパ」と画面に何とか映ろうとするジェイナとジェイセンと、「ダー」と手を伸ばすアナキン、そして画面いっぱいに映る愛しき妻のホッとしたような顔を見つめた。

いつものスリル満点の冒険こそなかったものの、打ち合わせと称した偵察も無事終わった。嫌悪感を全面に押し出したやつらも、さすがに面と向かって新共和国を批判することは出来なかったらしい。帝国びいきの奴らにも、(ブラスターをちらつかせて)釘を刺しておいた。

まぁ、これで調印式中に事件が起こることもないだろう。
いや、待てよ。念のため、オレもついて来たほうがよさそうだ。
キャッシークに里帰り中のチューイも帰ってくるだろうし。子供達はあいつに任せて、久しぶりに夫婦水入らずの旅行ってのもありだな・・・。

出発前のレイアの「早く戻ってきてね」という甘い声と温もりを思い出しながら、1人には大きすぎるベットに寝転びうとうととしかけたその時・・・

ドーン!!

大きな衝撃音とともにかすかに、いや確実に近づいてくる銃声。

ほらみろ。やっぱりオレは最高についている男だ。

ハン・ソロは幻影から抜け出すと、ブラスターを手に立ち上がった。

4.犯した過ち

帝国が滅びて、新共和国に加入したいという星は、それこそ星のようにある。この星もそうだ。交通の要として重要なこの星だからこそ、1ヵ月後にはレイアがじきじきに訪問して、調印式が行われることになっている。が、帝国時代に大きく発展したこの辺境の星には未だ帝国支持者が多く、反新共和国因子が数多く潜んでいる。
レイア・オーガナ・ソロ元首が訪問する前に、偵察に行くべきだ。議会でそんな声が多数あがり、調印式の下見と称した事実上の偵察隊を送ることになった。そして、反乱軍の英雄であり、レイアの夫であるハンは、これ以上にない人材だった。

「そんな危険な星になんであなたが・・・。」
甘い余韻が残るベットの上で妻がポツリと呟いた。
「ハニー、オレは最高にツキのある男だって知ってるだろ?」
と笑い飛ばした。

もしもあの時、断ってたらこんなことにはならなかったんだろうか・・・。
畜生・・・レイア絡みだとオレが断れないのを知ってて・・・。

いや、もしも・・・なんて話考えるなんてオレらしくないぞ。
オレを誰だと思ってる。
いつものようにブラスターと勘を頼りに切り抜けるだけさ。

深呼吸をすると、ハンは銃撃戦の真っ只中へ飛び出していった。

6.後ろから

トルーパー達が一斉に撃とうとするのが見えてあわてて物陰に隠れた。

足元には出発前にオレのことを崇拝の表情で見ていた若い少佐が倒れていた。
どうやらお味方はどんどん減ってるようだな。なんとかこの状況を打破しねぇと・・・。
コムリンクを取り出して、船に残ってる兵に応援を頼もうとしたその時…。

胸元に強い衝撃を受けて、持っていたコムリンクを落としてしまった。

見ると背後にはブラスターを構えたトルーパー。
こんな近くにいるのに気づかないなんて、オレの勘も鈍ったかな・・・。

相手が引き金を引く瞬間、オレは右手のブラスターを撃ちまくった。

白い装甲服がドサッと倒れたのを見たオレは、立ち上がろうと足に力を入れた。
が、足に力が入らないうえに、足元がすべる。
見ると自分の足元に血溜まりができている。
胸元に手を当てるとヌルっとした感触。
見ると手のひらが真っ赤に染まっている。

これは相当やばいぞ…
体から力が抜けたオレは自分で作った血溜まりの中に倒れた。

7.傷

息が出来ない。
「畜生・・・」
そう呟いたつもりが、口から出てきたのは血だった。

ブラスターで撃ちぬかれた胸の傷からは、押さえても押さえても血があふれ出てくる。

いつからだろうか。死ぬのが恐くなったのは。
一匹狼だった昔は、自分が死んでも誰も悲しまないと思ってた。
が、あのモス・アイズリーの酒場で爺さんと坊主と出会い、デス・スターで囚われの姫に出会ってから人生が変わった。
やがて小生意気な姫君は自分に家族の温もりを与えてくれた。

もしオレがここで力尽きてみろ。

チューイをファルコンを飛ばすこともできなくなるぞ。
ルークとこっそり冒険に行くこともできなくなるぞ。
ランドをサバックで負かすこともできなくなるぞ。

オレに温もりを与えてくれた大切な家族。
ジェイセンとジェイナのイタズラを見ることも、アナキンを抱きしめることもできなくなるぞ。そして何より、オレの大事なお姫さまを二度とこの腕で抱きしめられなくなるんだぞ・・・。

走馬灯のように浮かんでいた今までの人生の思い出を追い払い、遠のきかけていた意識を必死で手繰り寄せた。

なんとか血溜まりの中から脱出しようと手足を動かすも、力が入らない。挙句の果てに、意識が再び朦朧としてきた。

遠のきかける意識の中、誰かが駆け寄ってくるのがみえた。
白い服を着たその人物は、はじめて会った時レイアが着ていた服に思えた。
こんな所にレイアがいるはずない。
幻が見え始めるなんて、そろそろオレも終わりなのかな・・・。
せめて最後にあいつの声が聞きたかった・・・。

「レイア・・・愛してる」

そう呟くとハンは意識を手放した。

8.大切な貴方の写真

ガシャーン!!

明日帰るから・・・と連絡があったのが昨日。
出発したら連絡すると言っていたはずの連絡がなく、不安になっていたレイアは何かが割れる音で現実に連れ戻された。

やれやれ。また双子のどちらかが新しいイタズラを考えついたのかしら。あの才能はハン譲りよね。

あわてて子供達の元へ行くと、棚の上に飾ってあったはずの写真たてが床の上に転がっている。
「さぁ、今日はどっちの仕業?」
ジェイセンとジェイナに尋ねながら写真たてを拾い上げる。アナキンが生まれたとき家族みんなで撮った写真だ。見ると、ハンのところだけガラスが見事に割れている。

なぜか胸騒ぎがする。
ハン流に言うと、「嫌な予感がする」ってとこかしら。
そんなことを考えながら、割れたガラスを片付け、双子にダメでしょと言うと、「ママ、ゴメンなちゃい」と口をそろえて言う。

「怪我しなくてよかったわ」
と、双子を抱きしめた瞬間、目の前に血まみれで倒れているハンの姿が見えた。

同時に、眠っていたはずのアナキンが火がついたように泣き出し、ジェイセンとジェイナが「パパ!!」と叫び泣きはじめた。

ルーク曰く、この子たちのフォースはルークの弟子たちより強い。こんなに小さくても私よりも余程強い。

レイアは自分が見た幻影が現実のものではないことを祈りながら、そして自分に言い聞かせるように「大丈夫よ」と3人の子供達を抱きしめた。

「姫!大変です!!ソロ船長が!!」

夢だったらよかったのに・・・C-3POがちょこちょこと走ってくるのを見て、レイアは自分の見た幻影が現実であることを悟った。

9.生死の境目

今日はコルスカントへ帰る日だ。
出発の準備をしていると、緊急の連絡が入った。
銃声の音とともに、敵の襲撃を受けているという途切れ途切れメッセージ。コムリンクで連絡を取るも、誰一人応答しない。

あぁ、今日は嫌な予感がしたんだ。急いでブラスターをとり、船に残っていた仲間と共に急いで将軍の滞在所へ向かった。

そこは血の海だった。
一目見ただけでも息絶えているのが分かる仲間が倒れている。連絡をよこした将校もそのうちの一人だった。
白い装甲服を着た帝国の残党も数人倒れている。

「誰の仕業でしょうか・・・」
俺の後ろを歩く将校が震える声で言った。

やっぱりな。
だから言ったろ。こんな帝国万歳な星で、何も起こらないほうがおかしかったんだ。

不気味なほどの無音の世界だった。いや、かすかにうめき声が聞こえる。

「生存者を探せ!!」
まだ助けることの出来る仲間がいるはずだ。
たとえ助けれなくても、すでに息絶えていても、一緒に国に連れて帰るんだ。

生存者を探す俺の視界に飛び込んできたのは・・・

あぁ、なんてこった。

だから言ったろ。今日は嫌な予感がするって。

俺が見たもの。
それは、血溜まりに倒れてピクリともしない、反乱軍の英雄ハン・ソロの姿だった。
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コルスカントのレイアにもハンの容態はすぐさま伝えられた。
かなりの大量出血で意識もなく危険な状態にはかわりないこと、バクタ・タンクにすぐさま漬けられたこと・・・。

悲壮な表情で聞くレイアをキャッシークから戻ったチューイが抱きしめ、何かを言った。ハンと出会い、チューイと過ごす時間も増え、以前はわからなかったウーキー語も少しずつ理解出来るようになったレイアはその言葉を聞き軽く笑った。
(ハンは殺したって死にはしない)
「えぇ、そうね、チューイ・・・」
レイアは毛むくじゃらの夫の相棒をそっと抱きしめた。

あぁ、お父様、お母様、ケノービ将軍・・・どうかハンを連れて行かないで・・・。

10.ただいま

コルスカントの艦隊付属病院に移されたハンは、バクタ・タンクを出たものの、依然として意識が戻らなかった。
「子供たちは見てるからハンのそばについていてあげて」というルークとチューイに甘えて、レイアはハンに付き添った。

きっとすぐに目を開けて、いつまでもたってもレイアをドキドキさせるあの世界一ステキなならず者のとびっきりの笑みを見せてくれるに違いない。
眠るハンの右手を握り、そして頬に軽く口付けをしながら、
「さぁ、起きて、フライボーイ。」
と呟いた。
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気がつくとオレはフワフワと水の中を漂っていた。
って、オイ!何で水中なのに息が出来るんだよ!
あぁ、やっぱり死んじまったのかなぁ・・・。
そんなことを考えながら水の中を進んでいくと、前方に明るい光が見えてきた。
やっと出口が見つかった。いつまでも泳いでてもきりがないからな。
いそいそと明るい光の方へ近づいていこうとしたその時。

「ハン!」
誰かがオレの名前を叫んだと同時に、右手に懐かしい感触を感じた。
あぁ、この温かくそしてオレを魅了してやまない感触は愛するプリンセスの手だ。
この手を離してはいけない。
そう思い、愛しき妻の手を握り返した瞬間、オレは水の中からものすごい力で引っ張り出された。
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握っていたハンの右手がピクリと動いた。
レイアは「ハン!」と何度も呼びながら強く握り締めると、
今まで閉じていたハンのまぶたがうっすらと開き始めた。
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気がつくと目の前には目に涙をいっぱい溜めた妻の顔があった。
何だよ、また泣かせちまったなぁ・・・。
声にならない声でやっと「ただいま」と呟いたハンに、レイアは彼の右手を強く握り締め、
そして熱い口付けをしたあと、にっこり笑ってこう答えた。
「お帰りなさい」

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