6月のある日曜日。朝からラボに篭っているトニーの元に、ペッパーがエストを連れて来た。
「トニー、今いい?」
アーマーの整備中だったトニーは手を止めると
「あぁ。ひと段落したところだ。どうしたんだ?」
立ち上がったトニーは妻の腕の中の娘にキスをしたが、ペッパーが何やら大きな包みを持っていることに気づいた。
「何だ、それは?」
トニーに包みを手渡すと、ペッパーはエストを抱き直した。
「今日は父の日よ。この子が産まれて初めての父の日。だからね…」
そう言えば、今日は父の日だな…と、トニーが包みをあけると、写真立てが出てきた。それは、先日撮った親子3人での写真とエストの手形と足型の収まったフレーム。この瞬間、そして世界に一つだけしかない物…。
「おい、ハニー…」
口元を緩めたトニーが顔を上げると、頬を柔らかな感触がくすぐった。
最愛の妻と、そして娘からのキスのプレゼント。
「トニー、父の日おめでとう」
輝くばかりの笑顔の妻と、歯の生え始めた口を一杯に開けて笑う娘を、瞳を潤ませたトニーはぎゅっと抱きしめた。